【書評】[Robert C.Martin]Clean Architecture 達人に学ぶソフトウェアの構造と設計

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Clean Architecture 達人に学ぶソフトウェアの構造と設計

著者について

Robert C. Martin。通称「アンクル・ボブ」

50年ぐらいはエンジニア業界に携わってきている、おそらく業界での有名人の一人。
日本でも有名な著書がいくつかある。CleanCodeCleanCoderなど。

書評

書籍概要

ソフトウェアエンジニアリングに於いて、アーキテクチャをクリーンに設計するということはどういうことか、その概念を明示し、詳解する書籍。

まずはエンジニアリングの歴史やセオリーを読者に示す。
続けてアーキテクチャの説明を行いつつ、クリーンなアーキテクチャについて詳解する。
その後、変更が多い部分を「詳細」として例示する。

最後に、レイヤードアーキテクチャなどとの相違点や、実践方法などをゲスト執筆者を交えて記載している。

表題の「クリーンなアーキテクチャ」とは

中心となるビジネス要素はしっかり固めておいて、それ以外はいつでも変更可能となるようなアーキテクチャの形状のこと。(概念、考え方)
技術話とかになると書評枠から外れてしまうので、具体的なものはクリーンアーキテクチャでググってください。

有用性

最近(2020年ごろ)のプロジェクトではよく採用されている方針・考え方。
設計を行う人は一度は読んでおいたほうがよい。
概念図は有名なドーナツっぽいあれで、なんならあれがすべて。
原則などの考え方はいつでも有用なので、やり方、考え方は押さえておくととてもよい。

本書の読み方

クリーンアーキテクチャについての記述は後半からになっているので、ある程度のエンジニアはそこまで流し読みでも問題ない。
前半はあくまでもチュートリアルとか予習・復習のフェーズ。
第5部からアーキテクチャ論。
更に、第22章からようやく「クリーンアーキテクチャ」。

点数(10点満点)

  • 対象読者 : ソフトウェアエンジニアリングでの設計の価値をわかりかけている方以降
  • 読みやすさ : 7
  • 役に立つ度 : 10

所感

2020年現在、意識高い系は当然として、普通の現場でも聞くようになってて、もはや宗教と化しているかもしれない概念。
となるとエンジニアとしては読んでおかないとちょっとマズい書籍。
一時期のJavaみたいなもん。
好き嫌いは別に、もう割り切って読もう。
「このプロジェクトではクリーンアーキテクチャを採用します。え、ご存じない?」とかドヤ顔されてイラッとくるし。

本書の読み方にも書いたとおり、前半部分は歴史や背景などのあれこれに割かれているため、クリーンアーキテクチャについて知見を得たいだけの読者は中だるみをする。
おそらく同著者の「CleanCode」などから来た初学者に配慮してこういう構成になったんだと思うので、やむなしか。

アンクル・ボブ氏の50年の経験に基づいた小話もあるので、年長者の昔話を好んで聞ける人ならそこも含めて面白い書籍となる。

個人的には、第7章はレスバに使えそうで好きなのと(性格悪い)、第10章、第11章は製造するうえでもハマったらめちゃ気持ちいいから好きですね。

クリーンアーキテクチャそのものを学ぶときにとても好きな記事。

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